とうふ屋うかい。
明日から開店。
今日、レセプション。
八王子の本店のような店は都心には無理だろう…、と思っていたらなんとなんと、2000坪という広大な敷地の中に、まるで山里のごとき風情を作った。
オーナー曰く…、「東京の街に江戸の風情を作りたかったんですヨ」…と。
なるほど座敷に入って庭をぼんやり眺めていると、ここが港区のど真ん中で、ついさっきまでボクは忙しく仕事をしていた…、ということを忘れてしまう。
とうふ屋、と言うだけあって豆腐はおいしい。
揚げ豆腐に味噌を塗って炭で焼いたもの。
押し豆腐のようなガッチリとして、豆の香りがギュッと詰まった、とてもフレッシュな油揚げのような揚げ豆腐。
それだけでも十分においしいのに、それを焼く。
炭の香りがプーンとおいしく、それに田楽味噌の甘い香りがジンワリ香る。
幾重にもかさなる香りを楽しむ、気の効いた一品なり。
かと思うととても優しく、はかない料理。
自家製の豆腐を、出汁で割った豆乳の中に沈めてグツグツ煮込んだ名物料理。
程よい湯加減の風呂に浸かって、ジンワリ汗をかいてくつろぐような豆腐の肌がなんと色っぽくておいしげなこと。
実際食べると、豆腐そのものもおいしいのだけど、出汁の味のシッカリ効いた豆乳の甘露であること、この上もなく「豆腐と言う素材を使った京料理」…のような風情。
人の気持ちを柔らかくしてくれる柔らかな料理。
温かい。
塩アワビの前菜だったり、伊勢エビの刺身だったり、日本人の中の贅沢中枢をコチョコチョくすぐる料理が続き、メインはステーキ。
それも脂のほとんどない上質のヒレの部分を炭で焼く。
牛肉なのに体に優しいこうした料理がうれしい年頃…でありますからね。
おじさん達が自らをもてなすように人をもてなすのに最適な店…、ということでしょう。
得難いです。
それにしてもこの店、敷地の真ん中の大きな庭を囲むように個室があって、だから厨房から料理を届けるためには庭の中、それもかなりの距離を歩かなくてはいけなくなってる。
専門用語でいうところの「動線の無駄」。
当然、提供時間も少々かかる。
「時間の無駄」。
敷地のほとんどが庭と言う、それも考えてみれば「空間の無駄」であって、でもその無駄こそが今のボクらに大切で、贅沢なものである…、ということを教えてくれる。
そもそも美食なんて、最大の無駄、であるかもしれないわけで。
無駄を楽しむと言うコトが、文化の始まりでもある、ということでしょう。
そういえばココ、バブルの頃には超高層ビルの建築計画があった場所。
ビル一本建てると言うコトは、その場所の利用効率を上げるためには良いことで、でもビル一本建ててその場所が喜ぶか?と言うと、どうだろう。
その場所が本来持っているパワーを最大限に引き出してあげる…、と言うコトは案外こうした無駄の中にヒントがあるんじゃないか…、と思ったりした。
甘味の葛きり。
なんたるつややか。
透明の氷に絡みつくように貼り付くように、冷たい水の中を沈むように浮くように、正体なさげにユラユラ揺れる、日本のスイーツ。
箸で一本持ち上げると、軽いようで重たいようで。
黒蜜をつけ、口に入れると、堅いようで柔らかく、冷たいのだけれど氷のように冷たくはなく、甘いのだけれど蜜が溶けるとさっと口の中が水の味になる。
両極端が一つの食品の中に共存している不思議のデザート。
部屋を出て、庭から空を見上げると東京タワー。
ここにも両極端の同居があるね…と、にっこりする。
耳を澄ますと虫の声。
秋はすぐそこ…、どうなんだろう?
【素晴らしきレストランの最新記事】


食生活が、こんなに気になる人ってちょっといません。
「今日は何食べたんだろう」「どこ行ったんだろう」と
表現悪いですが、動物園の動物を観察するかのごとく、
サカキさんの食生活を読んで、見ています。
でも、おかげでいろんなことを教わっています。
チープな居酒屋でも、おしゃれなレストランでも、
サカキさんの言葉や表現や考え方を思い浮かべて、
以前より、ずっとずっと食事が楽しめるようになりました。
おかげで、ますますブーです(笑)。
責任とってください…。
食生活が、こんなに気になる人ってちょっといません。
「今日は何食べたんだろう」「どこ行ったんだろう」と
表現悪いですが、動物園の動物を観察するかのごとく、
サカキさんの食生活を読んで、見ています。
でも、おかげでいろんなことを教わっています。
チープな居酒屋でも、おしゃれなレストランでも、
サカキさんの言葉や表現や考え方を思い浮かべて、
以前より、ずっとずっと食事が楽しめるようになりました。
おかげで、ますますブーです(笑)。
責任とってください…。
ますますブー…、ごめんなさいっ!
そう言う僕もますますブー。
先日の人間ドックでもやっぱり太ってたんですけれど、もっと太ってたって思ってたんですよね。
それがたった3キロしか太ってなかったんで安心した。
それじゃあ駄目だよなぁ…、って思いつつそれでも食べるの止められません。
ごめんなさいです。
想像以上に凄いお店そうですネ!
早くスポンサー見付けて行ってみます。
>無駄を楽しむと言うコトが、文化の始まりでもある
そういう贅沢の意味が分かる人間になりたいです。
体の無駄な部分はしっかりカットしないと、文化的とはいえないようです。
…、ってボクに言う資格はないようでありますけれど。
いつも楽しく拝見させていただいております!
サカキさんの文章はホントに美味しそうで、読むだけでヨダレがとまりません・・・。
とうふ屋うかい!八王子ですが、日曜日に行ってまいりました!
とても美味しかったです!!お庭もステキで、お店の方も親切な人たちばかりで大満足でした!
窓際のお席だったのできれいな月も見えて素敵なお月見ディナーが出来ました。
芝のお店は今度母のお誕生日に家族で行こうと思っています。
ステキなお店を紹介してくださってどうもありがとうございました!!
お月見ディナー…、良かったですね。
うかいさんのお店はみんなサービスが素晴らしいので、とっておきの日に使い店としては最適。
是非、芝のお店。
楽しんでくださいね。